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25日目:サンシャイン国際水族館飼育担当の方のお話3

昨日あたりからどうも頭を下にして休んでいる時間が増えました。私はなかなか泳いでいる姿にお目にかかれません。今日の昼間は元気に泳いでいたそうですが、今は寝てます。ちょっと(というかかなり)心配です。

今朝も泳いではいたのですが、片方の触覚が出ていない。もしかしたら昨日ほぼ一日頭を底につけてぱたぱた移動していたので、磨り減ってしまったのでは???等といらぬ心配をしています。昼間はちゃんと2本出ていたそうです。まあ今までも二日くらい寝ていて、3日くらい元気で、の繰り返しだったので・・・でも心配。

引き続きサンシャイン水族館で伺った話を。

[クリオネの採取について]
実は私はクリオネを飼っている事って実は違法?と密かに心配していました。が、違法ではないそうです。サンシャイン水族館では、スタッフの方自らクリオネと餌のミジンウキマイマイを採取に行かれるそうです。あの、厳しいと言う流氷ダイビングです。水族館等の商業施設でクリオネを採取する場合、まずは地元の漁業協同組合の許可を得て、その後北海道知事から「特別採捕許可証」というものを発行してもらってからでないと、勝手に採取するのは違法になってしまうそうです。

また知らなかったのですが潜水器具をつけて漁師さんが取る魚を採取するのも違法だそうですね。厳密に言うと。一般人が一般家庭で飼育する場合は違法にはならないそうです。

私はライセンス関係の仕事をしているので、共通する部分があります。

とは言っても、がんがん採取していいかどうかというのは、個人の価値観によると思いますが。

[クリオネの生息地域]
クリオネは「流氷と共にやってきて、流氷と共に去っていく」と言われています。ところがクリオネは意外といろんなところに生息しているそうです。仙台以北の緯度の沿岸地域に生息し、流氷がない場所にも生息はしているそうです。ただ、クリオネは「パッチ」という、海流等によって自然に集まる群れのようなものになる事が多いそうです。(「群れ」は自ら集まる事。「パッチ」は流されて集まってしまう事。との事)流されてなんとなく仲間が集まっちゃったね。という感じなのでしょうか。遊泳力が弱いのでなすがまま、という事なのだと思います。餌のミジンウキマイマイも同じ「パッチ」を作るそうです。

もともと流氷の下は流氷が表面にあるために波が立たず、水中の海流が弱いそうで、クリオネが生活しやすい環境なので、自然に流氷の下に生息するそうですが、中には流されて遠いところへ行くクリオネもいる。海水の7,8割が凍っても大丈夫で、しかも16,17度まで生息できると言うのですから、加えて海流が弱いところであれば、ミジンウキマイマイを一年に一度くらい食べる事が出来れば生息できるとの事。

ボルネオのシュパターン(?)というダビングスポットにも、クリオネの種類(クリオネ・リマキナでは無いが、同じ種類のもの)がいるそうです。また、茨城県の大洗(?)でもクリオネが発見された事もあるそうです。長く生きられるかどうかは不明ですが、パッチになっているクリオネは発見しやすい。ただ、広い海の中数匹のクリオネが漂っているだけだと見つけにくい、と、単にそういう問題でもあるらしいのです。
1立法メートルの水槽に100匹クリオネがいるのと、1匹だけいるのの違い、という事でしょうか。

遊泳力が弱いため、人間が泳ぐ水流で飛ばされてしまいますし、もしかしたら身近にもいるけど単に見つけにくいだけ、という事も言えるそうです。

流氷が去った後の北海道でも、ゴールデンウィークあたりにもぐってもクリオネはいるそうです。飼育担当の方はそのときに3,4センチのクリオネを見つけられたそうです。「可愛かったですか?」と伺うと、「いやー。嬉しかったですねえ」とおっしゃっていました。3,4センチって、かなり大きいです。見てみたいです。


それにしても、やはりくーちゃんがぐったりしていると心配です。水族館の方も、以前止水状態で飼育されていたとの事で「下で固まってると死んでるのかどうか心配になっちゃうでしょう」とおっしゃっていました。本当に心配になってしまいます。ぱたぱたはしてますけどね。

明日書こうと思いますが、最初に書いたように生態を知れば知るほど、今の飼育環境においているくーちゃんが可哀想になってきます。くーちゃんを見ながら日々気持ちが変わります。


今日のクリオネ君。お休み中です。こんな感じで翼足をぱたぱた動かして移動しています。

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