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26日目:サンシャイン国際水族館飼育担当の方のお話4

クリオネ君は底の方で静かーに泳いだり、休んだり。今日も夜になってからは休んでいる時間が多いようです。今朝は頭が「ぱっくり」割れていました。一瞬ですけど。たまーに割れる事があります。これは水族館の方もそうおっしゃっていたので「うちの子だけじゃないのね」と安心しました。

引き続き水族館の方のお話。

[繁殖]
以前も書いたように、生物が存在する理由は種の保存。と私は思います。私が一番うちのくーちゃんに対して罪悪感を感じるのはそこです。繁殖させる事が出来ない。

水族館で繁殖に成功した事はありますか?との私の質問には、「ありません」というお答えでした。まず、水族館の水槽は弱い水流とはいっても、おそらく繁殖するにはこの水流は強いのだと思うと。そして、もし繁殖に成功して卵からかえった場合、稚魚(?)のクリオネが何を餌とするかがわからないので難しいだろうとのことでした。

繁殖自体、難しいようです。素人の私がたとえ2匹(「個体」と言うそうですが。)一緒の容器に入れて育てたとしてもそうそう簡単には繁殖などしないのでしょう。自然の環境の中で、条件が整わない限りは。


飼育ご担当の方のお話からは、本当に魚達に対する愛情が溢れているように感じられました。一番印象に残った一言。

「魚は海で暮らすのが一番幸せなんですよ」

くどいようですが、好きだからこそもっと知りたい。生態も勉強したい。ただ、知っていくにつれて「自然の環境が一番」と思い知るようになる。手元に置いているのが人間の単なるエゴだと身にしみてくる。

きっと飼育ご担当の方も、そういう思いで苦悩された事はあるのではないかと思います。でも、水族館は魚の生態を一般の人々に伝える貴重な場所。子供には夢と探究心を与え、大人にも夢や憩いを与える場所。そのお仕事に誇りを持って、魚達が快適に過ごせる様に飼育研究や、人々への情報提供の為の研究に日々努力されている素晴らしいプロ意識を、今回学ばせて頂きました。そして水族館の価値の高さも。

サンシャイン水族館に居る魚達は、幸せだと思います。

水族館にはいろいろな問い合わせのメールが来るらしく、どんなメールが多いのか伺った所「水族館の飼育係になるにはどうしたらいいんですか?」という高校生や子供達のメールが多いと。「嬉しい事です」とおっしゃっていました。

また、今回の私のあまりにも図々しい訪問に関しても「専門的に知りたいと言う一般の方の問い合わせも嬉しいです。そういう時には出来る限りお力になりたい。」と。このサイトも見てくださって、私がこのサイトの趣旨を説明し、正確な情報のサイトにしたいと伝えると「ぜひそういうものを作って下さい。クリオネの事を知りたい人の役に立つと思いますよ」と暖かいお言葉を下さいました。

やはり「クリオネ好きに悪人はいない」です。というか生物に興味のある人は、やっぱり心が優しいのだと思います。

最初に水族館のクリオネ専用水槽を見たとき、「くーちゃんはここに来た方が幸せになれるかもしれない」と思いました。あきらかに自宅での飼育に比べたらクリオネにとっては快適な環境。お話を伺うにつれて「冷蔵庫のくーちゃん」が可哀想になり、「いつか、やはり家での飼育に限界があると判断したら、引き取っていただけますか?」と伺った所「いつでも引き取る事は可能ですが、せっかく今頑張っていらっしゃるんだし、こうしてサイトも立ち上げた訳ですから、もう少し頑張って世話してあげて下さい」と言って下さいました。

もちろんくーちゃんの世話が苦痛なのではありません。出来る限り手放したくはありません。が、生物として考えると、いずれは水族館にお願いしたほうが、くーちゃんにとっては良い事です。自然に近い環境でのびのびと暮らせるのですから。

でも今はまだ考えられません。もう暫くは、出来る限りの事をして一緒に暮らしたいと思います。

うるうるモードになって来ましたが、これを読んだ10人中8人くらいは「もしもし?たかがプランクトン一匹でそこまで盛り上がれるあなたって?」とさぞかしあきれるだろうなあ、と言う事もちゃんと予測して、自覚もしてますので・・・

水族館訪問のしめ。サンシャイン国際水族館は、魚達を愛する研究熱心な心優しいスタッフの方々が作り上げているとても素敵な水族館です。ぜひ!遊びに行って下さい。

 
今日のクリオネ君。底の方でゆっくり泳いでいました。

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