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28日目:クリオネが食べるもの

今朝、会社に行く前に冷蔵庫をのぞくと、くーちゃんは下の方で可愛く泳いでいました。そろそろ餌あげに再チャレンジしてみようと思います。

クリオネの餌は「ミジンウキマイマイ」です。ところがこれは手に入りません。何とか手に入れたいのですが、今のところその方法が見つかりません。(情報がありましたら教えてください。)

そこで今までは冷凍の「イサザアミ」、生きている「イサザアミ」を取り寄せて試してみましたが、まず生きているイサザアミは、クリオネの容器に入れると水温の差であっという間に動かなくなってしまいます。そのまま底に落ちて、クリオネ君は気づきもしないご様子でした。

次に、冷凍のイサザアミ。これもクリオネ君の近くに落としてみましたが、見向きもしませんでした。

「どうしたものか・・・」と思っていたのですが、先日水族館で見せていただいた「捕食シーンのビデオ」では、ミジンウキマイマイがクリオネと接触したときにバッカルコーンを「ばっ!!!」と出して捕まえようとしていました。水族館で冷凍の餌を与えるときも、少し動きをつけてクリオネが食べやすいようにしていると。

もしかしたら、冷凍のイサザアミをてぐすとかピンセットでクリオネ君に接触させれば、食べてくれるかもしれません。今度元気がある時に試してみようと思います。

餌付けに関する疑問点を水族館の方にメールで伺ったところ、このようなアドバイスを頂きました。

質問:質問なのですが、ミジンウキマイマイ以外の餌を食べる事に危険性 はありますでしょうか。他のものを食べる事によってクリオネにとって毒性があっ たりして逆に良くない、等と言う事があるのかと思いまして。 「生物は自分の害になるものは感知して食べない」と思っているのですが・・・

お答え:ご質問、もっともだと思いますし、他の水族館の方からも同じ質問を受けますね。
昔の文献では、鹿の肉を食べたとか(アメリカらしいですね)プランクトンを食べた、クリオネが共食いをした、とか。何も否定できる根拠はありませんが、果たして、摂餌生態と見合った行動なのか?と思っています。というのは、バッカルコーンで餌をつかみ、フックを使って中身をかき出して食べる。これは事実なのです。生き物の生態は、長い時間を持って今現在に定着(特化)しているものだと思います。
もちろん、また長い時間のうちには、変化して行くものではありますが。結論から言うと、私的意見ではありますが、他の餌(ミジンウキマイマイ)以外を食べないとは言い切れないけれど、敢えて食べることはしないのではないかと思います。たとえば、バッカルコーンを開いているときに偶然他の餌を捕まえてしまったら・・・食べないにしても、食べているようには見えるのではないか?と思っています。
さて、では危険性ですが、これは無視しても良いのではないでしょうか。ミジンウキマイマイが主食であって、他のものが主食とはなりえないし、いわば、副食?間食?おやつ程度でしょうから。でも、何かミジンウキマイマイ以外のものを食べるのであれば、ぜひ、貴重な資料として映像に残していただきたいと思います。

とても貴重なアドバイスでしたのでそのまま載せさせて頂きました。

「生き物の生態は、長い時間を持って今現在に定着(特化)しているものだと思います。」

このお言葉は、前に書いたNHKで放送していた「ウミショウブ」の繁殖の方法について、生態についての番組を見たときにも感じました。生態は、理由があってその形になっている。人間もそうだと思います。生きていく為に、環境に応じて生態を変えていくのが生物です。

そう考えると、生命とは脅威的に強いものだと感じます。


今日は写真が撮れなかったので、昨日の夜中のクリオネ君。

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