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140日目:産卵らしい。そして痩せたクララ。

 今朝のクララちゃんです。昨夜よりも少し袋が膨らんでいました。変らず元気にゆったり泳いでいました。
 

今日、専門家の方からお返事を頂きました。

水族館の方は、クリオネの卵は浮遊卵だったはずなので、調べてみると言って下さいました。

オホーツクの流氷科学研究所さんからは、「産卵ですね。」と。

「クリオネの産卵は交尾後1日以内に行われるという報告がありますが、これは飼育水温にも影響されます。低水温で飼育の場合は少し時間がかかるようです。3℃では数日後に産卵した例を聞いております。」という事です。いずれにしても、うちに来てからの事であれば、お相手は危篤患者の集まるICUから一緒で、黒潮深層海水で元気になったこの子しか考えられません。「パパ」と名付けます。

そしてクリオネは産卵後死ぬと言われているそうです。くーちゃんをくれたクリオネーゼ友達Yちゃんがお土産でくれたクリオネのCD-ROMにも、「卵を抱えるクリオネ」の映像がありました。状態が良くわからないのですがお腹の上に透明の卵を抱えて死んでしまっているようなものだったので、「もしかして・・・」と、クララちゃん懐妊疑惑が出たときから予感はしていました。

「よく観察してください。4cmのクリオネは本邦産では最大サイズなので産卵後死んでしまうでしょう。」
と伺ったのですが今朝のクララちゃんの様子はとても元気。しかも内臓が出ていたけが人から奇跡の回復をした運の強いクリオネです。「うちのクララに限って死ぬなんて・・・」と思いながら家へ帰ると、クララちゃんが急激に痩せていたのです。

わかるでしょうか。この違い。左が今朝8時のクララ。右が今夜20時のクララ。激痩せです・・・びっくりしました。顔の大きさが半分でした。下半身の細さも。

泳ぎ方も、今朝まではゆったり優雅に泳いでいたのが、夜は身体が重そうに、少ししんどそうな感じです。この様子を見たら「もしかして本当に産卵で、クララちゃんは産後・・・」と思えてきました。

専門家の方のメールに「放卵された卵塊は浮遊していますがつぼの形をした殻を持つヴェリジャー 幼生になります。殻を捨てる段階までは珪藻類を与えなくても生存していると思います。肉眼で確認することは難しい。貴重なクリオネの生態を観察できたことを喜ぶだけでも価値があると思います。」ともありました。確かにこのような一般家庭の飼育環境でクリオネの産卵に遭遇するなんて、珍しい事だと思います。価値ある事です。ただ、問題はこれからどうするか。

孵化した卵に、ここまで来たら何とかできる限りの事をして育ってもらいたい。この環境では恐らく成体になるのは難しいでしょう。ほぼ100%無理なのかもしれません。まずは調べる事から始めなければいけません。しかも大急ぎで。幼生になり、殻を捨てるまでは餌が無くても生存するとありますので、問題はそれから。植物プランクトンを食べるとか、動物プランクトンを食べるとか、という記事があったと思いますが、どうやって手に入れて、海水を新鮮に保つ為にどうするか。

・・・頭が痛いです。でも頑張ります。と言いながら、他の病気だったりして皆様をがっかりさせたらすみません。

早速、水族館の方がこれでクリオネの生態について研究したとおっしゃっていた
Pelagic Snails: The Biology of Holoplanktonic Gastropod Mollusks
Carol M. Lalli (著), Ronald W. Gilmer (著)
を、AMAZONで注文しました。1万円ちょっとしたのでかなりの出費ですし、届くまでに時間がかかりそうなのですが、ここまで来たら研究します。

最後に、クリオネーゼの方々へ。すみません。この際男性もまとめてクリオネ飼育者をクリオネーゼと呼ばせて頂きます。

「これから飼育が大変な時期になります。おなかのすいたクリオネが死んでいく夏を迎えますので頑張ってください。アドバイスできることは、クリオネをあまり泳がせないこと静かに底でじっとさせてやることです。」と、専門家の方がアドバイスを下さいました。

自然界にいるよりは冷蔵庫の中のほうが水温がどんどん上がってくる自然海よりは生存率が高いと思います。体力を消耗しないで済むので。皆様のクリオネも元気で長生きできます様に。

そして、飼育でのご質問や疑問などがありましたらぜひこのサイトにコメントを下さい。他のクリオネーゼの方々にも参考になると思いますので。結構皆さん心配する事は同じだったりします。・・・なんかマニアックなサイトになってきてしまいました・・・


くーちゃんです。お友達とお休み中と、久々に泳いでいる姿。元気です。大きさはクララの5分の一くらい?

そして、今日、更に霊安室の4匹を埋葬しました。無くなったのは今までで10匹です。あとICUに8匹います。毎日お世話していますが、復活したのはクララとパパだけです。

クリオネのような小さい生物でも、これだけ生き死にに直面すると、生命の重さと自然の摂理を感じます。命に大きさや種類は関係ないです。貴重な経験です。ほんとに。

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