143日目/13日目:クリオネが成体になるまで
右がくーちゃんです。今日はちょっと元気がなかったので心配でしたが、大量のクリオネ達が来て今日で13日目。騒がしくて、冷蔵庫内の温度もちょっと上がってしまったので(入れていた容器が多すぎて)くーちゃんもお疲れになったのでしょう。疲れが出たのかもしれません。それにしても痩せた気がします。新しいお友達に比べると(まだ名前付けてません)。長期間餌を食べずに生息するのは、体内に貯えた脂肪を利用していると聞きますが、そうだとしたら痩せるのも当然。栄養を付けさせてあげたいです。
そしてこれはくーちゃんももう一人のお友達で命名「ちびちゃん」です。一番小さい子でした。来たばかりの頃のくーちゃんに似てます。くーちゃんよりも小さいです。一生懸命ぱたぱたして可愛いです。
クララは、昨夜と今日観察していたところ、頭からバッカルコーンを思いっきり出し、下半身も糸のように痩せて、動きませんでした。ところが、よく見ると微かに翼足を動かしている。ほとんどわからないくらいですが。
驚いたのは、まだついている袋がむにむにと動くのです。クララの呼吸とか、動きがあるという事だと思います。袋の中のものが動くわけは無いと思いますので。
「クララちゃん。まだ頑張っているのね。」と、母の強さに感動しました。
約一週間かけての産卵です。温度にも関係あるのかもしれません。もっと水温が高ければもっと短時間で済むのかも。
色々と調べた結果、結局詳しい事はわかりませんでした。
クリオネの産卵:
・交尾の後約4時間(水温により差が有るとの事)で雌はゼリー質の卵の塊を海水中に産卵する。(この辺が少しクララは違います。お腹に袋が出来て、そこから透明な液体のような物が放出されていた様に見えました。ただ、専門家の方曰く、今年はクララのように黄色がかった卵袋をつけたクリオネを数個体見たそうです。ただ、もしかしたらクララの卵は、時期が熟す前に袋の中から出てしまったのかも?すると育たないのかも・・・もしくは本当は最終的に袋が体から外れるべきなのに、途中で力尽きたのかも・・・)
・小型群で約150~200個、大型群で120 ~2,800個の産卵。
・卵から孵化すると、壺のような殻を持つ「ヴェリジャー期幼生」となる。孵化までには3,4日?これも温度差がありそう。ヴェリジャー期幼生時代は植物プランクトンを捕食する。(専門家の方曰く、何も食べずに生存はしているだろうとの事。肉眼で確認するのは難しいとの事。)
・2週間程度で殻を捨て、周りに繊毛を持った多輪形幼生になる。多輪形幼生は繊毛運動によって移動する。 多輪形幼生時代は親と同じ小型のリマキナを捕食する。
・生態になるまで数ヶ月から一年?
という感じです。なにしろ目で見えないと言うのがくせもの。わかりません。状態が。
あと、問題なのは海水を新鮮に保つ事。見えないだけに捨てなれないので、これは容器をどんどん増やして新しい海水を足していくしかないでしょう。クララが死んでしまったら、放置しておくと水質が悪化してしまうと思うので、その辺もどうすべきなのか。まだ袋ついてるし。そして、ヴェリジャー期幼生時代の餌、植物プランクトン。これは生の海水をどこかから手に入れるしか無いと思いますが、低い水温なので北海道の海水でないとプランクトンが生息できません。まあこれは無くても何とか生きるとしても、問題はその後。多輪形幼生時代の餌、リマキナです。手に入りません。こればっかりは。なので他の動物プランクトンで試すしかありません。それを何にするか。どうやって入手するか・・・など等。どう考えてもこの環境でクリオネの子供達を孵化させて増やすのは不可能に近いです。
どうしたものか・・・
クララが命をかけて頑張って産んだ卵です。出来る限りの事はして、一匹でも成体まで育ってもらいたい。でも、成体になったと言っても、リマキナしか食べない子だと生きていけないのですが・・・
クリオネが一般飼育に適さないのは、餌の問題が一番大きいと思います。とりあえず、クリオネーゼのまりあさんが教えて下さったブラインシュリンプや、イサザアミの餌付けに挑戦しようと思います。
これからもひたすら情報をかき集めようと思います。