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January 31, 2004

2日目:ミジンウキマイマイを求めて

今日でクリオネ君が来て一日たちました。

長引いている風邪のため、今日は家で安静にしていたほうが、と言う事でクリオネ君の飼育方法について調べまくりました。

いやー調べた調べた。ぷちクリオネ博士と自称できます。クリオネの生態については明日まとめますが、まずは最優先問題の海水とエサ。海水はYちゃんに予備も貰ったのですが、心配性の私は今のうちから手配しておこう。と、まずはクリオネ研究の本場、北海道の「オホーツク流氷科学研究所」に問い合わせをしました。海水の種類や注意事項、エサが手に入るかなど。

http://www.o-tower.co.jp/towerframe.html

ちなみにクリオネは「ミジンウキマイマイ:学名リマキナ・ヘリキナ」という巻貝の一種しか食べないそうです。その捕食シーンがまた獰猛で面白いのですが。

とても親切に対応して下さいました。ところがエサを手に入れるのは難しいとのこと。直接北海道に来て自分で捕らないことには。という事らしいです。他にもインターネットで調べた海水魚店にもかなりの数問い合わせましたが「うちはクリオネを扱ったことは無いのでわかりません」「エサは手に入らないと思いますよ」「エサを食べなくても半年は生きますから、そういう飼い方しかないみたいですね。今の所」というお答えでした。

ガラス越しにこっちを向いて泳ぐクリオネ君を見ていると「お腹すいたー」と訴えているようで「何としてもエサを手に入れてあげますからね!」と思わず呟いてしまいます(注:心の中で)。まあエサなしでも良いらしいんですけど。

探した甲斐あって、海水を注文しようと思ったある海水業者さんが「以前個人でクリオネを飼っていたんですよ」と。「ブドウガイ」という貝を食べさせていたというではありませんか。品川水族館にも電話をして、飼育係さんにお話を伺ったのですが、「ミジンウキマイマイ以外のものを食べたのを見たことは無い」との事だったので、「希望の光が!」と喜びました。販売品ではないのでもし手に入ったら送って頂けるとの事。こちらのアクアリウムサービスのY氏からもご親切にクリオネ飼育の貴重なアドバイスを頂いています。

http://www4.ocn.ne.jp/~nitiaqu/

そして海水も注文しましたし、最低限の飼育方法もばっちり。でもやっぱりミジンウキマイマイは手に入れたい。引き続き調べたいと思います。

後は私のクリオネ君が丈夫である事を祈るのみ。

あまり元気が無いようなのでオホーツク流氷科学研究所に伺ったところ、「個体によって状態が違いますから、動きが少ないから弱っているとは言い切れないんですよ。弱いものはやはり長く生きないし、生命力の強い個体もいますしね」と。それは確かにそうです。自然の摂理。生命力の弱いものは長く生きられず、強いものが生き残る。

でも私はクリオネにも愛情は伝わると信じています。せめてこの子が持って生まれた「寿命」は変えたくない。

世界一幸せな「飼いクリオネ」にするため、頑張ります。

 
今日のクリオネ君

January 30, 2004

1日目:クリオネがやってきた

ある日突然クリオネが私の手元にやって来ました。

以前からクリオネフリークだった私は、クリオネと暮らせる喜びを感じると共に、ひとつの生命に対する責任も感じました。

北海道に流氷を見る旅に行っていた友人のYちゃんが、クリオネをお土産に連れてきてくれました。「クリオネ持って帰るから」と昨夜電話で聞いてから、どきどき。クリオネグッズは手に入っても本物のクリオネは水族館で見るだけの存在。と思い込んでいたので、いきなりクリオネが身近な存在になるなんて!嬉しさと共に、現実味を感じられませんでした。「これは夢???」という感覚。でも、小さいとは言え生き物。「しっかりとお世話をするにはどうしたらいいんだろう」と期待と不安の入り混じった気持ちで今日を迎えました。

夕方Yちゃんは私の勤める会社までクリオネと、お土産のクリオネグッズを持ってきてくれました。緊迫したMTGが終わったばかりの私はダブルで気が動転。クリオネは一匹。ペットボトルに入っていました。Yちゃんは元々クリオネにはそれほど興味は無かったのですが、北海道で知人から3匹頂いたらしいのです。「これを喜んでくれるのはクリオネマニアのKiyoしかいないでしょ」という事でお土産に連れてきてくれた、といういきさつです。

「クリオネの飼い方」という説明書もあったのでまずは一安心。うちの子になったからには精一杯、愛情を注いで大事に育てます!Yちゃんどうぞご安心を!

最初は「大好きなクリオネ!」という事で舞い上がるほどの喜び様でした。ずっとひいていた風邪も吹き飛ぶほど。手の届かないものが現実になったような感じ。ところが、実際にYちゃんが連れてきてくれたクリオネを見ると「やっぱり生き物だ」という実感が込み上げて来て、「責任重大だわ!」と感じました。せっかくはるばる北海道から、紆余曲折あってうちの子になったからには、本当に精一杯良い環境を整えてお世話をしないと!と使命感にかられました。

退社して家に着くまでは「もしこの子が死んでしまったら・・・」と思い悲しくなってしまうほど。ほんの数十分で思いっきり感情移入してしまいました。昔はおたまじゃくしとかカメとか金魚とか平気で飼って、世話せずにほったらかしにしておいたのに・・・

そういう訳で、これから毎日に「クリオネ日記」を綴ります。少しでも長生きしてくれますように。頑張って勉強して「クリオネ博士」になります。

早速調べたところ、クリオネの生態自体がまだ完全に解き明かされては居ない。(これは後でオホーツク流氷科学研究所さんから、ほぼ解明はされていると伺いました)ましてや「飼育方法」なんてサイトは非常に少ない。寿命は成体になってから一年もてばいい方らしいです。2,3年かも、という説もあるそうですが。うちの子(命名:クリオネ君)は成体だと思うので、どうなのでしょうか。

頑張ってお世話します。私の天使を。


移動の際のストレスか、お疲れのご様子。容器の下のほうでぱたぱたしています。

★INTRODUCTION★このサイトについて

私がクリオネに興味を持ったのは、5,6年前、友人から北海道土産で貰った「クリオネ切手」がきっかけでした。

それ以前から存在は知っていましたが、切手をきっかけにクリオネに興味が出てきました。たまに水族館に見に行ったり、商品を見かけると買ったり、友人から北海道のお土産でクリオネ商品を貰ったり、という感じで「クリオネを見に北海道に行こう」とは思わないまでも、クリオネフリークの端くれでした。

「流氷の天使」「流氷の妖精」と言われるだけあって、あの天使の様な姿形と、ゆったりと泳ぐスタイルは人を魅了します。思わず笑顔になり「可愛い」という言葉が口から出てくる不思議な力があると思います。一秒間に2回程度翼足を羽ばたかせ、ゆったりと水中に舞うクリオネは、見ていて心を落ち着かせます。クラゲのゆったりとした動きに癒し効果があると「クラゲセラピー」というものもあるそうですが、「クリオネセラピー」もあり得ると思います。スローライフという言葉が多くの人々の共感を呼ぶストレスフルな現代、このクリオネのゆったりとした雰囲気が人を魅了する要因になっているのかもしれません。

ある日突然一匹のクリオネが私の手元にやって来ました。私のクリオネ好きを知っている友人が、北海道旅行中に貰ったクリオネを連れてきてくれたのです。

クリオネを冷蔵庫で飼う事ができると言う噂は聞いていました。ただ、飼育方法が難しい、手に入らない、1匹10万円位すると言う噂も。一般家庭での飼育には向いていないという事だったので、まさかクリオネが自分の元に来る事になるなんて夢にも思っていませんでした。水族館に行く度に子供達を押しのけてクリオネの水槽にへばりつき、うっとりとクリオネの泳ぐ姿を眺める私にとっては、毎日クリオネを見ることが出来るなんて夢のような事。

その嬉しさの一方で「飼育方法」に関する不安がありました。今回一番困った事は「クリオネの飼い方」という詳しい情報がインターネットでは得られなかった事でした。

このホームページでは、全国、果ては世界中のクリオネを愛する方々の為に、クリオネの情報や、クリオネの生態、そして、クリオネを育てる事になった方々のために、私の実際の飼育経験を元に、今回色々な機関や専門家の方に伺ったクリオネ情報等をまとめたいと思っています。

本来クリオネは流氷の下で生涯を送る事が望ましいと思います。でも、クリオネが冷蔵庫の中であれば飼育できると言う事で、多少ではありますが出回っている事も事実。出来る事なら自然界に近い状態で育てたい。持って生まれた寿命を出来る限り守りたい。流氷の下と全く同じ環境は無理ですが、出来る範囲で環境を整えて、元気なクリオネと共に生活出来るなら、クリオネ好きにとってはこの上ない幸せだと思います。

また、クリオネを元気で長生きさせたいと言う思いで始めたクリオネ研究ですが、思いがけず生命についても深く考えさせられる結果となりました。

ご意見、ご感想などがありましたらぜひコメント下さい。