« January 2004 | メイン | March 2004 »

February 29, 2004

31日目:クリオネグッズ一般バージョン

今日は昼間はずっと寝ていました。夕方から元気に泳いでいますが、この子はどうも片方の翼足が少し弱いのかもしれません。たまに片方だけ引っ込めてしまうのです。今の所泳ぐのに支障は無さそうですが。

今日は、いつのまにか集まっていたクリオネグッズを載せたいと思います。まずは「一般バージョン」として、まあ普通にクリオネが好きな人なら持っていてもいいのでは、というもの。このサイトを立ち上げて、クリオネについて調べているうちにクリオネグッズもたくさん欲しくなってきてしまいました。まさにマニアの仲間入りです。

  
クリオネのハンドタオル。友人からの北海道土産です。

 

 

これらも全て友人からの北海道土産。中には「買ってきて!」とお願いしたものもあります。

 

 
これらも北海道土産と、水族館で買ったもの。

この辺までは許されるのでは・・・というクリオネ商品だと思うのですが。明日は「よっぽど好きじゃないと買ったり貰ったりしないよねえ」と思われるものを載せてみます。

いつのまにかクリオネグッズが集まっていたのですが、北海道のお土産で頂く事が多いので、北海道へ行けばいつでもどこでもクリオネ商品が売っていると思い込んでいました。でも北海道の方に伺ったところによるとどこにでもあるわけではないそうです。


今日のクリオネ君。半分元気。半分寝ている。という感じです。

February 28, 2004

30日目:一月たちました

クリオネ君が我が家にやって来てから一月がたちました。あっと言う間でした。

一月前、突然やって来たクリオネに対して数十分のうちに情を抱き、何とか快適な環境で長生きして欲しいと飼育方法や生態を調べ、このサイトも立ち上げました。

クリオネに興味がある世界中の方に見て頂きたいと。飼育している人には飼育の方法や生態を理解して欲しいと。興味の無い人にも知ってもらいたいと。(その割には内容がまだまだ充実していませんが。これから頑張ります。)

一月たち、嬉しかったのは多くの方が親切に情報を提供して下さった事です。飼育方法を教えて下さったオホーツク流氷科学研究所の方、生態や飼育方法について直接お話を伺わせて下さり、その後もメールで相談に乗って下さっているサンシャイン国際水族館の方、海水をお願いしている「アクアリウム・サービスニチアク」のY氏、「イサザアミ」をお願いした事でその後もクリオネが餌を食べたか気遣って下さっている「シュリンプ」の方、(リンクが貼れるようになったらお世話になった方のURLは全部リンクさせて頂こうと思っています)、それ以外も私の知人で毎日読んで下さっている方からも、知人からの繋がりで読んで下さっている面識の無い方々からも、情報を教えて頂ける事もあります。

興味を持って読んで下さっている方が居ると言う事が、一番嬉しいです。

くーちゃんの為、くーちゃんがうちに居る事が自分の満足だけにならない為、と思って始めたサイトですが、思いがけず多くの方々の暖かさに触れる事が出来て嬉しいです。

出来るだけ多くの方に読んで頂いて、クリオネの事、そして生命の重さを感じて頂けるようなサイトに、これからして行きたいと思います。

なんか一月目のご挨拶になってしまいましたが・・・

くーちゃんは今日も底の方でゆったりと泳いでいます。
   
今日はたくさん写真が撮れました。なかなかいい写真は撮れませんが。

February 27, 2004

29日目:クリオネのお友達

昨日の夜中、海水を半分替えました。しばらくするとくーちゃんは元気に。ここ数日底で寝ているか、かろうじて底の方で力なく泳いでいるか、というパターンが多かったのが、容器の上の方まで優雅に泳いでいました。実はくーちゃんは「エビ」らしきものと一緒に住んでいます。

この「エビらしき生物」は、最初にくーちゃんが入っていたペットボトルに一緒に入っていました。他に1ミリくらいのプランクトン2,3匹と、ひもの様な透明な2,3センチの生物と一緒に。

ひもの様な生物は2,3日で死んでしまい、プランクトンもいつの間にか居なくなり、(恐らく海水交換の際に一緒に捨ててしまったか、死んでしまって排泄物と一緒に取り除いたか)、この「エビくん」だけが残っています。

最初は1,2ミリだったのが、どうも育っているようなのです。今は4,5ミリあるような気がします。

しかも立ってぴょんぴょん飛び跳ねるのです。やたら元気に。

クリオネは、一個体で約100ミリリットルの容器で飼育するのがストレスがかからないと聞きました。あまり多数で小さい容器で飼育するとストレスになって弱ると。

たまーに、寝ているくーちゃんに「エビくん」がぶつかってくーちゃんが「ぴくっ」とびっくりする事があるようなので、「ストレスになるのかなあ」と、一度別々の容器に入れようとしました。ところが「エビくん」は動きがすばやく、捕まえられません。

仕方なくそのままにしているのですが、今日の、会社にいる私と家に居る母とのメールでの会話。

私「くーちゃんどう?」
母「くーちゃんえびと遊んで泳いでる」
私「くーちゃんえびに苛められてるの?」
母「くーちゃんとえびは仲良しだと思うよ」
私「じゃあ一緒にしておいた方がいいね」

書いていて我ながらちょっと悲しくなってしまいましたが・・・あまりの馬鹿さ加減に。

そんな感じで、まあ一緒の容器で育てようと思います。ただ、「エビくん」がもっと大きくなったら考えますが・・・


「エビくん」はこんな感じの生物。透明です。


今日のクリオネ君。そっているところ。

February 26, 2004

28日目:クリオネが食べるもの

今朝、会社に行く前に冷蔵庫をのぞくと、くーちゃんは下の方で可愛く泳いでいました。そろそろ餌あげに再チャレンジしてみようと思います。

クリオネの餌は「ミジンウキマイマイ」です。ところがこれは手に入りません。何とか手に入れたいのですが、今のところその方法が見つかりません。(情報がありましたら教えてください。)

そこで今までは冷凍の「イサザアミ」、生きている「イサザアミ」を取り寄せて試してみましたが、まず生きているイサザアミは、クリオネの容器に入れると水温の差であっという間に動かなくなってしまいます。そのまま底に落ちて、クリオネ君は気づきもしないご様子でした。

次に、冷凍のイサザアミ。これもクリオネ君の近くに落としてみましたが、見向きもしませんでした。

「どうしたものか・・・」と思っていたのですが、先日水族館で見せていただいた「捕食シーンのビデオ」では、ミジンウキマイマイがクリオネと接触したときにバッカルコーンを「ばっ!!!」と出して捕まえようとしていました。水族館で冷凍の餌を与えるときも、少し動きをつけてクリオネが食べやすいようにしていると。

もしかしたら、冷凍のイサザアミをてぐすとかピンセットでクリオネ君に接触させれば、食べてくれるかもしれません。今度元気がある時に試してみようと思います。

餌付けに関する疑問点を水族館の方にメールで伺ったところ、このようなアドバイスを頂きました。

質問:質問なのですが、ミジンウキマイマイ以外の餌を食べる事に危険性 はありますでしょうか。他のものを食べる事によってクリオネにとって毒性があっ たりして逆に良くない、等と言う事があるのかと思いまして。 「生物は自分の害になるものは感知して食べない」と思っているのですが・・・

お答え:ご質問、もっともだと思いますし、他の水族館の方からも同じ質問を受けますね。
昔の文献では、鹿の肉を食べたとか(アメリカらしいですね)プランクトンを食べた、クリオネが共食いをした、とか。何も否定できる根拠はありませんが、果たして、摂餌生態と見合った行動なのか?と思っています。というのは、バッカルコーンで餌をつかみ、フックを使って中身をかき出して食べる。これは事実なのです。生き物の生態は、長い時間を持って今現在に定着(特化)しているものだと思います。
もちろん、また長い時間のうちには、変化して行くものではありますが。結論から言うと、私的意見ではありますが、他の餌(ミジンウキマイマイ)以外を食べないとは言い切れないけれど、敢えて食べることはしないのではないかと思います。たとえば、バッカルコーンを開いているときに偶然他の餌を捕まえてしまったら・・・食べないにしても、食べているようには見えるのではないか?と思っています。
さて、では危険性ですが、これは無視しても良いのではないでしょうか。ミジンウキマイマイが主食であって、他のものが主食とはなりえないし、いわば、副食?間食?おやつ程度でしょうから。でも、何かミジンウキマイマイ以外のものを食べるのであれば、ぜひ、貴重な資料として映像に残していただきたいと思います。

とても貴重なアドバイスでしたのでそのまま載せさせて頂きました。

「生き物の生態は、長い時間を持って今現在に定着(特化)しているものだと思います。」

このお言葉は、前に書いたNHKで放送していた「ウミショウブ」の繁殖の方法について、生態についての番組を見たときにも感じました。生態は、理由があってその形になっている。人間もそうだと思います。生きていく為に、環境に応じて生態を変えていくのが生物です。

そう考えると、生命とは脅威的に強いものだと感じます。


今日は写真が撮れなかったので、昨日の夜中のクリオネ君。

February 25, 2004

27日目:クリオネの頭

今日は底の方で休んだり泳いだり。疲れ気味なのか、これが普通なのか、よくわかりません。今日は、昨日見た「頭ぱっくり」を図解説してみます。


いつもはこんな感じで優雅に可愛らしく泳いでいます。


たまーに頭がこのように「ぱっくり」もしくは「ややぱっくり」割れた状態で泳いでいる事があります。一瞬ですが。お腹が空いているとか、苦しいとか、いろいろと推測してしまいますが、どういう時にこうなるのかは不明のようです。

結構怖いです。母とは言え。でも慣れてきましたが。

という事で、へたくそな絵ですが、図解説でした。

明日から、水族館で頂いたクリオネに関する文献の和訳にとりかかろうと思います。


今日のクリオネ君。正確には昨日の夜中。元気でした。

February 24, 2004

26日目:サンシャイン国際水族館飼育担当の方のお話4

クリオネ君は底の方で静かーに泳いだり、休んだり。今日も夜になってからは休んでいる時間が多いようです。今朝は頭が「ぱっくり」割れていました。一瞬ですけど。たまーに割れる事があります。これは水族館の方もそうおっしゃっていたので「うちの子だけじゃないのね」と安心しました。

引き続き水族館の方のお話。

[繁殖]
以前も書いたように、生物が存在する理由は種の保存。と私は思います。私が一番うちのくーちゃんに対して罪悪感を感じるのはそこです。繁殖させる事が出来ない。

水族館で繁殖に成功した事はありますか?との私の質問には、「ありません」というお答えでした。まず、水族館の水槽は弱い水流とはいっても、おそらく繁殖するにはこの水流は強いのだと思うと。そして、もし繁殖に成功して卵からかえった場合、稚魚(?)のクリオネが何を餌とするかがわからないので難しいだろうとのことでした。

繁殖自体、難しいようです。素人の私がたとえ2匹(「個体」と言うそうですが。)一緒の容器に入れて育てたとしてもそうそう簡単には繁殖などしないのでしょう。自然の環境の中で、条件が整わない限りは。


飼育ご担当の方のお話からは、本当に魚達に対する愛情が溢れているように感じられました。一番印象に残った一言。

「魚は海で暮らすのが一番幸せなんですよ」

くどいようですが、好きだからこそもっと知りたい。生態も勉強したい。ただ、知っていくにつれて「自然の環境が一番」と思い知るようになる。手元に置いているのが人間の単なるエゴだと身にしみてくる。

きっと飼育ご担当の方も、そういう思いで苦悩された事はあるのではないかと思います。でも、水族館は魚の生態を一般の人々に伝える貴重な場所。子供には夢と探究心を与え、大人にも夢や憩いを与える場所。そのお仕事に誇りを持って、魚達が快適に過ごせる様に飼育研究や、人々への情報提供の為の研究に日々努力されている素晴らしいプロ意識を、今回学ばせて頂きました。そして水族館の価値の高さも。

サンシャイン水族館に居る魚達は、幸せだと思います。

水族館にはいろいろな問い合わせのメールが来るらしく、どんなメールが多いのか伺った所「水族館の飼育係になるにはどうしたらいいんですか?」という高校生や子供達のメールが多いと。「嬉しい事です」とおっしゃっていました。

また、今回の私のあまりにも図々しい訪問に関しても「専門的に知りたいと言う一般の方の問い合わせも嬉しいです。そういう時には出来る限りお力になりたい。」と。このサイトも見てくださって、私がこのサイトの趣旨を説明し、正確な情報のサイトにしたいと伝えると「ぜひそういうものを作って下さい。クリオネの事を知りたい人の役に立つと思いますよ」と暖かいお言葉を下さいました。

やはり「クリオネ好きに悪人はいない」です。というか生物に興味のある人は、やっぱり心が優しいのだと思います。

最初に水族館のクリオネ専用水槽を見たとき、「くーちゃんはここに来た方が幸せになれるかもしれない」と思いました。あきらかに自宅での飼育に比べたらクリオネにとっては快適な環境。お話を伺うにつれて「冷蔵庫のくーちゃん」が可哀想になり、「いつか、やはり家での飼育に限界があると判断したら、引き取っていただけますか?」と伺った所「いつでも引き取る事は可能ですが、せっかく今頑張っていらっしゃるんだし、こうしてサイトも立ち上げた訳ですから、もう少し頑張って世話してあげて下さい」と言って下さいました。

もちろんくーちゃんの世話が苦痛なのではありません。出来る限り手放したくはありません。が、生物として考えると、いずれは水族館にお願いしたほうが、くーちゃんにとっては良い事です。自然に近い環境でのびのびと暮らせるのですから。

でも今はまだ考えられません。もう暫くは、出来る限りの事をして一緒に暮らしたいと思います。

うるうるモードになって来ましたが、これを読んだ10人中8人くらいは「もしもし?たかがプランクトン一匹でそこまで盛り上がれるあなたって?」とさぞかしあきれるだろうなあ、と言う事もちゃんと予測して、自覚もしてますので・・・

水族館訪問のしめ。サンシャイン国際水族館は、魚達を愛する研究熱心な心優しいスタッフの方々が作り上げているとても素敵な水族館です。ぜひ!遊びに行って下さい。

 
今日のクリオネ君。底の方でゆっくり泳いでいました。

February 23, 2004

25日目:サンシャイン国際水族館飼育担当の方のお話3

昨日あたりからどうも頭を下にして休んでいる時間が増えました。私はなかなか泳いでいる姿にお目にかかれません。今日の昼間は元気に泳いでいたそうですが、今は寝てます。ちょっと(というかかなり)心配です。

今朝も泳いではいたのですが、片方の触覚が出ていない。もしかしたら昨日ほぼ一日頭を底につけてぱたぱた移動していたので、磨り減ってしまったのでは???等といらぬ心配をしています。昼間はちゃんと2本出ていたそうです。まあ今までも二日くらい寝ていて、3日くらい元気で、の繰り返しだったので・・・でも心配。

引き続きサンシャイン水族館で伺った話を。

[クリオネの採取について]
実は私はクリオネを飼っている事って実は違法?と密かに心配していました。が、違法ではないそうです。サンシャイン水族館では、スタッフの方自らクリオネと餌のミジンウキマイマイを採取に行かれるそうです。あの、厳しいと言う流氷ダイビングです。水族館等の商業施設でクリオネを採取する場合、まずは地元の漁業協同組合の許可を得て、その後北海道知事から「特別採捕許可証」というものを発行してもらってからでないと、勝手に採取するのは違法になってしまうそうです。

また知らなかったのですが潜水器具をつけて漁師さんが取る魚を採取するのも違法だそうですね。厳密に言うと。一般人が一般家庭で飼育する場合は違法にはならないそうです。

私はライセンス関係の仕事をしているので、共通する部分があります。

とは言っても、がんがん採取していいかどうかというのは、個人の価値観によると思いますが。

[クリオネの生息地域]
クリオネは「流氷と共にやってきて、流氷と共に去っていく」と言われています。ところがクリオネは意外といろんなところに生息しているそうです。仙台以北の緯度の沿岸地域に生息し、流氷がない場所にも生息はしているそうです。ただ、クリオネは「パッチ」という、海流等によって自然に集まる群れのようなものになる事が多いそうです。(「群れ」は自ら集まる事。「パッチ」は流されて集まってしまう事。との事)流されてなんとなく仲間が集まっちゃったね。という感じなのでしょうか。遊泳力が弱いのでなすがまま、という事なのだと思います。餌のミジンウキマイマイも同じ「パッチ」を作るそうです。

もともと流氷の下は流氷が表面にあるために波が立たず、水中の海流が弱いそうで、クリオネが生活しやすい環境なので、自然に流氷の下に生息するそうですが、中には流されて遠いところへ行くクリオネもいる。海水の7,8割が凍っても大丈夫で、しかも16,17度まで生息できると言うのですから、加えて海流が弱いところであれば、ミジンウキマイマイを一年に一度くらい食べる事が出来れば生息できるとの事。

ボルネオのシュパターン(?)というダビングスポットにも、クリオネの種類(クリオネ・リマキナでは無いが、同じ種類のもの)がいるそうです。また、茨城県の大洗(?)でもクリオネが発見された事もあるそうです。長く生きられるかどうかは不明ですが、パッチになっているクリオネは発見しやすい。ただ、広い海の中数匹のクリオネが漂っているだけだと見つけにくい、と、単にそういう問題でもあるらしいのです。
1立法メートルの水槽に100匹クリオネがいるのと、1匹だけいるのの違い、という事でしょうか。

遊泳力が弱いため、人間が泳ぐ水流で飛ばされてしまいますし、もしかしたら身近にもいるけど単に見つけにくいだけ、という事も言えるそうです。

流氷が去った後の北海道でも、ゴールデンウィークあたりにもぐってもクリオネはいるそうです。飼育担当の方はそのときに3,4センチのクリオネを見つけられたそうです。「可愛かったですか?」と伺うと、「いやー。嬉しかったですねえ」とおっしゃっていました。3,4センチって、かなり大きいです。見てみたいです。


それにしても、やはりくーちゃんがぐったりしていると心配です。水族館の方も、以前止水状態で飼育されていたとの事で「下で固まってると死んでるのかどうか心配になっちゃうでしょう」とおっしゃっていました。本当に心配になってしまいます。ぱたぱたはしてますけどね。

明日書こうと思いますが、最初に書いたように生態を知れば知るほど、今の飼育環境においているくーちゃんが可哀想になってきます。くーちゃんを見ながら日々気持ちが変わります。


今日のクリオネ君。お休み中です。こんな感じで翼足をぱたぱた動かして移動しています。

February 22, 2004

24日目:サンシャイン国際水族館飼育担当の方のお話2

今日は元気がありません。下の方で頭を下にしてぱたぱたと移動しています。冷蔵庫を覗く度にこの状態。「たまには休む日もあるか」と、さっき冷蔵庫を覗いてみたところ容器の真ん中あたりで泳いでいる。でも頭がやたら大きい。「あっ!くーちゃん、うん○が頭についてる!!!」と叫んでしまいました。排泄物を頭に付けたまま泳いでいたのです。今朝全部スポイトで取り除いたはずなのに、甘かった・・・

で、自然に排泄物は取れ、一安心。昨日の水族館の方のお話で、今まで私が「元気」「元気がない」と思っていたのも多少間違っていたと気付きました。

テーマ毎に昨日伺ったお話をまとめます。

[クリオネの飼育環境]

昨日も書いたように、水族館のクリオネの水槽はゆるい水流があり、クリオネが流されない程度にふわふわと羽ばたいて泳いでいました。クリオネは元々遊泳力の弱い生物。自然の海、流氷の下は水流が比較的少ないためクリオネも流され過ぎずに適度な水流に漂う事が出来るそうです。逆に水流が強い場所に流されてしまうと恐らく体力を消耗して長生きできないだろうと。

水族館では以前今の私の飼育と同じ様に止水状態で飼育していたそうです。それが今のゆるい水流の水槽にしてからは驚くほど長生きするようになった。と。

それは、ゆるい水流の中で漂いながら羽ばたくのと、止水状態の中で自分で上昇するように羽ばたくのとでは体力の消費量が違うから。という事ではないかと。

そう思うと、今まで容器の上の方まで泳いでいた時は元気だと思い、下の方で控えめに泳いでいた時は元気がないと思っていたのは、多少違うのかもしれません。下の方で位置を変えずに控えめに泳いでいる方が、自然の泳ぎ方に近いのかもしれません。元気そうに泳ぎ回っている方が体力を消耗して、もしかしたら寿命を縮める事になってしまうのかも。

以前オホーツク流氷科学研究所にうかがったお話でも、クリオネの生息水温は上限16~17度、下限は無し。海水の7、8割が凍っても大丈夫。16~17度の場合は、数日に一度餌をとることが必要、とありました。体力が消耗する環境では、その分栄養を補給しないと、という事ですね。

クリオネが長生きするためには、体力の消耗を防ぐ、という事が必須のようです。

[捕食について]

まず、やはりクリオネは半年から一年、えさを食べなくても生きているとの事。これは恐らく、自然界の中でも餌にありつけることがそのくらいの頻度なのではないか、との事でした。と言うのは、クリオネは自分から餌に向かって泳ぐわけでもなく、餌を探すわけでもない。漂うだけのクリオネと、餌のミジンウキマイマイがタイミングよく接触し、捕獲できたら食べる。というスタンスで、しかもミジンウキマイマイの群れとそう簡単に出会う事も多くはないであろう、との事でした。

水族館の方も、実際にクリオネとミジンウキマイマイはご自身で採取されるそうなのですが、クリオネがたくさんいる所でもミジンウキマイマイは滅多に見つからないそうです。人間から見ると見つけにくい、という理由もあるそうですが。

実際に飼育担当の方がご自身で羅臼に採取に行かれ、フジテレビが撮影し、ニュースで放送された8年前のクリオネ捕食シーンのビデオを拝見しました。私も友人Yちゃんが買ってきてくれたオホーツクタワーのCD-ROMで捕食シーンは見たのですが、こちらのビデオ映像も鮮明で「捕食の瞬間」も写っていました。これには私も驚きました。

ミジンウキマイマイがクリオネの頭とほんの少し接触するかしないかという瞬間、クリオネの頭部が開き6本の触手(バッカルコーン)が、クリオネの体長の半分以上はあると思われるくらい伸びるのです。しかも一瞬のうちに。まさに宇宙人のようです。一回目は捕食失敗。バッカルコーンが出たものの、ミジンウキマイマイを捕まえられずにそのまま右往左往している感じでした。これを見て「追いかけるわけじゃないのか」と理解できました。

ちなみにクリオネは嗅覚で餌を感知すると言われていますが、それも定かではないそうです。というのは、実験でミジンウキマイマイのエキスをクリオネに近づけても、反応が無かったそうなのです。私が見た映像では接触して、運良く捕まえられたら食べる。という感じなのかなあ、と見えました。

そして捕食の際、6本のバッカルコーンで殻を押さえ、その内側に2本か3本ある「フック」というカギ状のもので、ミジンウキマイマイの中身をえぐりだして食べるそうです。ミジンウキマイマイの翼足は食べないそうです。ミジンウキマイマイはグレーっぽい、茶色っぽい色をしているそうなのですがView image、クリオネが食べた後は、殻の中身が綺麗に無くなり透明の殻になっていました。

実際にその撮影では、食べ終わるまでに4時間くらいかかったそうです!まさに壮絶でした。

やはりあの可愛い姿からは想像も出来ない捕食シーンです。

ちなみにクリオネの顔(に見える部分)のオレンジ色は、内臓ではなくてこの「バッカルコーン」でした。体のオレンジ色は内臓です。

他にも頭が割れてバッカルコーンを少し出しながら泳いでいる映像もありましたが、「ちょっと怖い・・・」の一言でした。でも、とても、ますます興味深い生物です。

餌はやはり「ミジンウキマイマイ」しか食べないだろうとの事。ただ、水族館にもいろいろなお話が耳に入るそうで、他のものを食べたと言う話も聞かれた事はあるそうです。「絶対にミジンウキマイマイしか食べない」とは言い切れません。とはおっしゃっていました。クリオネとも生き物、個性もあると思います。「普通のクリオネはミジンウキマイマイしか食べないけど、僕はイサザアミも食べるんだ!偉いでしょ!」と、うちのくーちゃんが言ってくれたら嬉しいなあ・・・


明日は続きで、他のテーマを。

February 21, 2004

23日目:サンシャイン国際水族館飼育担当の方のお話1

一昨日の「片方の翼足引っ込み事件」から、すっかり元通りの元気なクリオネ君になっています。人間で言うと「泳いでいたら突然足がつっておぼれそうになっちゃった!」という感じなのでしょうか。今日はサンシャイン国際水族館の飼育担当の方に、クリオネについてお話を伺ってきました。

このサイトを作ってから「専門家のお話も記載したい」と思い、また、うちのクリオネ君の為に情報を入手したいと言う事で、メールでお約束を頂いておりました。

メールでもクリオネ飼育に関する詳細や、水族館でも試行錯誤されたご経験談などを教えて下さっていたのですが、とてもご親切に、土曜日のお忙しい中、1時間半もお話を伺ってまいりました。

1時間半みっちり濃いお話を伺ってきましたので、数日に分けて記載したいと思います。

まずは「序文」と言う事で。「水族館の裏側」も拝見する事が出来て、とても面白かったのでその辺もまじえて。

水族館に着いたら飼育ご担当の方が早速「裏」のクリオネを見せて下さいました。一般に公開しているクリオネではなく、裏で飼育しているクリオネです。しながわ水族館と系列が同じと言う事で少ない方に移動させたりなさっているそうです。協力して。まあストックというか。

クリオネ専用の水槽の中に、たくさんにクリオネたちが優雅に泳いでいました。大きいのものもいれば小さいクリオネも。専用の水槽は正面から見ると円形で、タンクのようなものと繋がっていて、上部から冷やした海水を入れ、横斜め上についたフィルターから排水するという、海水を循環させる仕組みを持ったものでした。クリオネに負担がかからない程度のゆるーい水流。

最初にその専用水槽の中のクリオネ達を見たとき、「ああ、うちのくーちゃんもここに来た方が幸せなのかな」と思いました。自然界と全く同じ、とは行かないまでも、明らかに自宅での飼育環境よりは数段居心地がいいと思われます。クリオネを長生きさせるために研究されているのですから当然なのですが。クリオネの生態をよくわかった方が発明された水槽。クリオネ達は生き生き心地良さそうに泳いでいるように見えました。

そして表の水槽の裏側へ。裏側はタンクのようなものが沢山あり、機会も多くてびっくりしました。表から見るとあんなに優雅に魚達が泳ぐ水槽も、裏ではこんな大掛かりな設備が必要なのか、と。

裏を通って事務スペースへ。会議室に通して頂きました。室内には世界地図などもあり、スタッフの皆さんがきっと世界中の情報を駆使して魚達の飼育研究をされているんだろうなあ、とうかがえました。

飼育担当の方はとてもご親切で、たかが一般の人間の個人的な質問に、とても熱心に答えて下さいました。その事に一番感動しました。

メールで伺っていたイギリスの文献も拝見し、それ以外の、大学の図書室で探したとおっしゃる英文の文献もコピーを下さいました。

正直言うと、ここまで自分の疑問が全てクリアーになるまでご対応頂き、専門的な情報も伺い、資料も拝見できるなんて思っていなかったので、感激でした。

伺った内容も濃いので、詳細は明日からきっちり書きます。

今日水族館に伺った事で、クリオネ飼育に対する不安も大分解消され、ゆったりした気分になりました。また、せっかく立ち上げたこのサイト、こういう貴重なお話は余すところなく、正確に、クリオネ好きの人達にお伝え出来るようにしたい。と決意を新たにしました。


今日のクリオネ君。夜の写真撮影タイムはお休み中でした。お休み姿。

February 20, 2004

22日目:願掛け

クリオネ君が来て3週間たちました!あっという間でした。まだ1週間くらいしかたっていない気がします。

一昨日、友人、知り合いに一斉にこのサイトのお知らせメールを出しました。結構いろいろなお言葉を頂きました。「クリオネ可愛いねー」が一番多かったです。以前の会社の先輩からの「なんであっても、行動に移すのは良い事だ!」と言うお言葉には嬉しくなりました。

その中で友人Mぱぱさんがご自分のサイトでこのclione styleを紹介して下さいました。

こんな感じで。↓

・・・clione style -クリオネに関する情報サイト-

お友達がクリオネ(View image)の専門サイトclione styleを立ち上げました。この方、とても素敵な(変わった)女性の方なんですが、5,6年位前からクリオネにはまりはじめ、現在はクリオネのくーちゃんと供に暮らし、こうしてサイトを立ち上げることになったそうです。

僕もあまりクリオネについては詳しくは知りませんが、どうやらインターネット上でなかなか良質な情報と出会うことができず、であれば自分で始めてみようと言うのがサイト立ち上げのきっかけのようです。

決して彼女は動物の専門家ではありません。ですがそんな専門家でない彼女が大好きなクリオネの為に情報収集して、しかもそれを他のクリオネファンに伝えようと言う心意気に僕は関心しています。

ぜひ皆様、一度clione styleを訪れてみてください。・・・

とても嬉しいです。多くの人に「はまりすぎ・・・」と引かれると思っていたので。でも、やっぱり私は変わり者・・・?まあ楽しいので良いのです。

ところで私は、古臭いとお思いでしょうが「願掛け」のような事をしています。くーちゃんが元気で長生きしてくれるように、祈るだけでは甘いので、自分にも何かを課さなければ。と思って。

と言う事で、普通であれば誰でも当たり前のようにやっている「きちんと正しく生活する事」をしっかりと実行する事で、くーちゃんを長生きさせて下さい。という様な感じで。

きっちりしっかりずるせずに仕事をするとか、お年寄りには席を譲るとか、出来るだけ規則正しい生活をするとか、些細な事で「だらけ」を無くし、「良い行い」をする様に心がけています。これって意外とこういう事でもないと出来なかったりします。(怠け者の私だけかもしれませんが・・・)しかも身に付くまで大変だったりもします。(普段だらけ過ぎだからかもしれませんが・・・)

という事で、「くーちゃんの為に」が、「自分の為に」にもなって、良い相乗効果というか、なんと言うか。

何のためであっても、努力が出来るって大切な事だなあ、と思います。そのモチベーションがある事が幸せです。


今日のクリオネ君。餌はやっぱり食べません。「冷凍イサザアミ」をあげてみましたが、見向きもしません・・・まあ気長に・・・

February 19, 2004

21日目:クリオネのお医者さんが欲しい

クリオネのお医者様がいたら、せめて「獣医」ならぬ「魚医」がいたらどんなに安心できるでしょうか・・・

今朝、海水を3分の1ほど替えました。3,4日おきに替えてます。

昼間は普通に元気に優雅に泳いでいたらしいので、夜安心して冷蔵庫から出して眺めていました。

いつもは水面に触覚が当たると一瞬動きを止めて下まで下降し、また泳ぐ、の繰り返しなのです。さっきも「優雅に泳いでいるなあ」と見ていたところ、水面に触覚が当たると同時に急に「ぴくっ」となり、身体をよじったのです。あんなよじり方は見たことが無かったのでびっくりしました。良く見ると片方の翼足が体の中に入ってしまっている!

そのまま不自然な格好で底まで下降し、底で暫く変な風に身体をよじったりしていました。片方の翼足は身体に入ってしまったまま。

「このまま死んじゃったらどうしよう!」とあわあわしながら見ていると、もう片方の翼足をぱたぱたしている。すると、引っ込んでしまった翼足もまた出てきました。

どうも本人が一番びっくりしたようで、両方の翼足が普通に戻るといつもの倍のスピードで泳いで上にあがりました。「ぱたぱたぱたぱたっ」という感じで。もがいている様に見えました。

すると又、ある瞬間「ぴくっ」となり、また同じ翼足が体の中に入ってしまったのです。そのまま下降するとき、頭の部分がほんの少し痙攣を起こしているような感じに見えました。

もう見ていた私は心臓もばくばく、顔面蒼白状態。でも見ていることしか出来ません。まさか手で引っ込んでしまった翼足を引っ張るわけにも行きませんし。

そのまま下の方で少しもぞもぞして、また同じ様に普通の状態に戻りました。

その後は、やはり少し本人が動揺していたようで動きが異様に早かったのですが、30分ほどしたらすっかり元通り。いつもの優雅な泳ぎ方になりました。今も普通に泳いでいます。

一体何だったのでしょう。本当に驚き、焦りました。このまま死んでしまうのかと思いました。この小さな容器の中、という環境が原因なのでしょうか・・・

とりあえず今は普通に戻ったので安心しましたが、お医者様がいたらどんなに安心できるだろう。と思いました。「クリオネ医」。それは無理でも「プランクトン医」とか・・・

そういえば魚のお医者様って聞いた事がありません。爬虫類はいると思いますが。魚を飼っている人たちはどうしているのでしょう。ご自分で研究しているのでしょうか。やっぱり。

本当に焦りました。どうかこのまま弱ってしまいませんように。元気なままでいてくれますように、と祈るしかありません。


昨日の朝日新聞の夕刊記事。暖かいのでプランクトンが大量発生しているという事は、クリオネもたくさんいるという事ですね。うちのくーちゃんも、仲間に会いたいと思うのでしょうか・・・


今日の元気になったあとのクリオネ君。

February 18, 2004

20日目:愛されるクリオネ


ついに届きました。
「生物海洋学入門」Carol M. Lalli (著), Timothy R. Parsons (著), 関 文威 (翻訳), 長沼 毅 (翻訳)

これでも読んで、プランクトンとは・・・を基礎から勉強しようと思います。かなり難しそうですが・・・

今日もクリオネ君は少しのんびりめで元気です。日々、いろいろと思うところがあります。

今日朝日新聞の夕刊一面に、流氷ダイビングの記事が載っていました。そこにクリオネの写真が。本来クリオネとは流氷の下に居るもの。会いたければ「会いに行く」という存在だと思います。それがこうやって一般家庭の冷蔵庫に。そう考えると可哀想なのです。

この事はINTRODUCTIONにも、12日目にも書きましたが、割り切って「幸せな飼いクリオネ」にする為に日々努力を・・・と思っていても、度々悩まされる問題でもあります。

流氷の下に居ても、魚達の餌になる運命。それとうちの子になるのとどちらが・・・等と比較しても仕方の無い事も考えたりしてしまいます。

既にうちでは、クリオネ君は「皆に愛される存在」友人Yちゃんも「お母ちゃん」気分でしっかり情が移っているそうです。

これがメダカだったら・・・と思うと、ここまで入れ込んでいたどうか。やはり皆に愛される不思議な魅力のある生物だと思います。


今日のクリオネ君。そのうち動画も見れるようにします。(の予定。いつになるかはわかりませんが。)

February 17, 2004

19日目:流氷ダイビング

今日も元気です。ゆったりと泳いでいます。なんだか心なしか痩せてきたような・・・気のせいとはわかっていますが、えさを食べて欲しいなあ、としみじみ思います。捕食シーンが見たいと言う思いもありますが。

昨日、ダイビングが趣味の友人達と食事をしていました、。以前から私もダイビングはライセンスを取りたいと思ってはいるのですが、なかなか重い腰が上がらない・・・という状況。

クリオネ君のえさの「ミジンウキマイマイ」について調べた際、どうやっても手には入らない。手に入れるとしたら自分で取りに行くしかない。という事だけはわかりました。

そこで安易な私は「じゃあ北海道に行って体験流氷ダイビングをして、ついでに取ってくれば・・・」等と思いついてしまい、その事を友人に話すと「何馬鹿なこといってんの!」とお叱りを受けました。

そもそも流氷ダイビングとは、ダイビングの中でも非常に厳しくて難しい。素人が挑戦できるわけがないし、ましてや「体験流氷ダイビング」なんてあるわけないでしょお!という事でした。

流氷の下ってマイナス何十度の世界だそうですね。知りませんでした・・・もクリオネ君のためにもっと勉強しなくては。

ミジンウキマイマイを手に入れるのはほぼ無理なようです・・・浜辺とかで拾えるものでもないと思いますし。


今日のクリオネ君。

February 16, 2004

18日目:クリオネへの思いを通して知る自分の余裕

今日は普通に元気です。ゆったりと下で寝たり、ゆーくりと泳いだりしています。たまに下半身の力が入らないのか、下半身の方が上に浮いてしまい、横になって一生懸命泳いでいる事があります。疲れ気味なのでしょうか・・・

昨日感じた事なのですが、今日が金正日総書記の誕生日と言う事もあり、連日連夜北朝鮮の映像がニュースで流れています。北朝鮮の子供達の映像も。

綺麗に着飾ってわざとらしく演技をする子供も居れば、路上で食べるものも無くさまよっている痛ましい子供の映像も流れています。

今私はこうやってうちのクリオネに出来るだけ快適な環境を用意したいと夢中になって入れ込んでいますが、これって余裕があるからこそ出来る事。

例えば仕事が忙しくてそれ所じゃなかったり、精神的に悩みがあって他の事を考える余裕が無かったり、その程度の「余裕の無さ」でもこんな風にサイトまで立ち上げてしまったりしないと思いますし、ましてや食べるものも無く、寝る場所も無く、などと言う状況だったら絶対にクリオネを可愛がろう何て余裕は一切持てないはず。

世界に目を向けると、貧しい土地で子供達が死んでいったり、内乱で多くの人の命が奪われたり、「余裕」を感じる事の出来ない人々も大勢居ます。

日本人は、%はわかりませんがかなり多くの家庭でなにかしらのペットを飼っている。それって「余裕」の証拠だと思います。生活面でも、精神的にも。世界レベルで見れば、の話ですが。

うちには猫が2匹いますが、それに加えクリオネ。猫もクリオネもかなり家の中心的存在になりつつあります。幸せな事なのですが、そういう余裕を持てる環境を有り難いと思い、何か出来る事をしなければいけないなあ、と、クリオネと、クリオネのバックに流れるニュースを見ながら感じました。

クリオネ君はいろんな事に気付かせてくれます。


今日のクリオネ君。毎日同じようなポーズ・・・

February 15, 2004

17日目:専門家の熱い思い

今日も元気です。が、2,3日容器の上の方まで元気に泳いだ後は、2日くらいは下の方でもそもそしていたり、容器の半分より下でゆっくりと泳いでいる、というパターンです。海水を替えると翼足の動きがやたら早くなります。苦しそうにも見え、元気そうにも見え・・・・どちらなのでしょうか。

都内でクリオネを飼育している水族館は、池袋サンシャイン国際水族館としながわ水族館です。

しながわ水族館には、この子を迎え入れた翌日にお電話で飼育方法を伺いました。

池袋サンシャイン水族館には、先日メールを出して飼育ご担当者のお話を伺いたいと、あつかましいお願いをしておりました。

すると今日、ご担当の方からとてもご丁寧な返信を頂きました。

クリオネ飼育に関しては試行錯誤したとのことで、長年の研究や、実際に羅臼まで採取に行かれたこと、テレビで放送され大反響だった捕食シーンの撮影にいたるまで、など、とても貴重なお話を書いて下さっていました。専門書もイギリスから取り寄せて研究されたりもしたそうです。

池袋サンシャイン水族館には、クリオネの生態や捕食シーンの模型など、とても詳しい展示があるのですが、ああいう物もスタッフの方々の長年の研究や努力の成果なのかと思うと「さすがプロ!」の一言です。素晴らしいです。

直接お話も伺えるとの事。近いうちにインタビューさせていただきたいと思っています。とてもわくわくしてしまいます。マニアとしては。

毎日クリオネを見ていると、幸せ感はもちろんあるのですが、少しでも変化があるとわからないだけに不安にもなります。これはとことん調べるしか無い!と思い、早速池袋サンシャイン水族館の方がメールに書いて下さっていた"Carol M. Lalli"という人の本を調べました。

ご担当の方が取り寄せられたと言う本は1万円以上もする原書で、素人の私にはちょっと難しそう・・・という事で、同じ方の著書の「生物海洋学入門」という日本語訳の本を読んでみようと思います。

クリオネ博士目指して。

それにしても、クリオネに携わる方々は、本当に驚くほどご親切です。好きだから、思い入れがあるから、という事もあるかもしれませんが、「クリオネ好きに悪人はいない」という定義は本当にあると思います。(自分の善良さをアピールしているようで説得力ないですが・・・)

ちなみに私の周りでクリオネに興味があるという人は良い人ばかりです。

良い人だと思われたかったらクリオネを好きになってみましょう。

 
今日のクリオネ君。ちょっと翼足のはじっこに自分の排泄物がくっついたりしています・・・

February 14, 2004

16日目:遊泳力の弱いクリオネ

今日も優雅に泳いでいます。日に日に可愛くなってきます。クリオネは遊泳力の弱い生物です。その辺は、とてもか弱い存在に見えます。

今私は、4日に一度程度、3分の1くらい海水を交換しています。海水の交換は

・10日に一度くらい全部替えるくらいでよい
・1週間に一度程度、全部替える
・水中の汚れが目立って来たら替える
・毎日10%ずつくらい替える
・毎日排泄物の掃除をする際、少しずつ捨てた海水分補充する
★全てに共通する事=替えの海水は予め冷蔵庫で同じ温度に冷やしておく事!

今まで上記のような方法を伺いました。私は一度に全て替えてしまうのが少し怖いので、4,5日おきに少しずつ、で今の所試しています。

海水の交換の際、どうやっても多少の水流が出来てしまうのです。静かにしてもどうしても水流ができる。水流が出来たときにクリオネ君は「あ~れ~」という感じでその水流に巻き込まれて容器の中をくるくる回ってしまうのです。

それで具合が悪くなるわけでは無さそうですが、人間で言うと海で渦に巻き込まれるような、ジェットコースターでぐるぐる回転するような感じなのでしょうか。そう思うと私だったら気持ち悪くなる・・・

強い水流はクリオネを弱らせると言いますので、海水交換の際にも出来るだけ水流を作らないように・・・と気をつけています。

翼足を開いたところを見ると結構大きいし、泳いでいるときも体の前後で翼足がぴったりくっつくように大きく羽ばたいています。にもかかわらず、力の弱いクリオネ君です。繊細に見えます。

  
今日のクリオネ君。
左から、水面に触覚がついて一瞬動きを止めているところ。触覚が引っ込んでいます。
そのまま下に落ちて、底近くでまた浮上するところ。
再度浮上して泳いでいるところ。翼足の動きは、横の動きが意外と早いのでなかなか開いているところが写真に撮れません。

February 13, 2004

15日目:クリオネは幸運を運ぶ?

今日も元気です。私の家では、この子の名前は最初「クリオネ君」でした。母が「クリちゃん」と呼ぶようになり、最近姉が「くーちゃん」と呼び始めました。「くーちゃん」で定着しそうです。安易ですが可愛いので。

昨日海外のサイトを見て感じたのですが、海外ではクリオネの写真はかなりリアルでどちらかというとグロテスク。「可愛い」というイメージとはかけ離れています。日本ではクリオネはそのコピーも「流氷の天使」「流氷の妖精」。クリオネ商品も顔のついた「らぶりー」なものがほとんど。日本人のクリオネに対するイメージは「可愛い」以外にはないでしょう。(捕食シーンを除く、ですが)

そもそもアメリカなどでは子供のアニメも日本人から見ればリアルでグロテスク。子供のようなあどけなさや、単純なラインを可愛いともてはやすのは日本独特の趣向かもしれません。

クリオネが日本でこんなに愛されているのは、まずは「羽がある=天使」「触覚がある=耳みたい」「どことなく丸っこい」「泳ぎ方がゆったりしている」などがあると思います。もしクリオネがもっとスピーディーに泳ぐ生物だったらこんなに受けないと思いますし、クリオネの仲間に、クリオネに酷似していて内臓部分がもっと目立つ生物がいるのですが、それはクリオネと似ているといってもお世辞にも「可愛い」とは言えない。

予断ですが「スーパー獣医さん」として有名な野村潤一郎さんの著書によると、哺乳類の「かわいさ」の基準は共通だそうです。動物の赤ちゃんは目が離れていて体型はまん丸。この「かわいさ」によって親の攻撃本能をスポイルしていると。赤ちゃんの「かわいさ」は無抵抗、無害、保護すべき存在、の象徴だそうです。人間は哺乳類なので、この「かわいさ」をなんとなくクリオネに感じるのかもしれません。(私は感じています)

前置きが非常に長くなりましたが、このようにクリオネは日本では「天使」「妖精」として親しまれている。(英語名は"sea angel"だそうですので、海外でも「天使」のようですが)。いろいろなクリオネのサイトを見ると、「幸運を運ぶ」というニュアンスの言葉が良く使われています。これは「天使」から繋いでいるのだと思いますが。

http://www.aquaworld-oarai.com/kikaku/kurione2004.htm
「願いを叶えるクリオネ展」

http://www.rakuten.co.jp/makeone/488249/488252/#447514
「幸運を呼ぶクリオネペンダント」実はこれとっても欲しいのです・・・

こんな感じで。これってある意味で真実かもしれません。と言うのは、私がYちゃんにクリオネ君を貰った日、私は会社でアシスタントマネージャーに昇格しました。Yちゃん自身もクリオネが来て以来、出会い運が活発になり、充実した日々を過ごしているご様子。

・・・単なる思い込みだとはわかっていますが、私とYちゃんにとっては、クリオネは幸運を運んでくれました。そんなクリオネ君なので、頑張ってお世話しています。ご恩返しに。

もう2週間がたち、私も大分お世話に慣れてきました。元気が無いときはやはり心配ですが、専門家の方がおっしゃっていたように生命力は強いのかもしれません。

なんとなく、うちのくーちゃんはここの所、顔(に見える部分)が「下ぶくれ」になってきたような気がします・・・写真を見ていると。

  
今日のクリオネ君。花と一緒に。慣れてきたのでそろそろ少し大きい容器に替えたいと思います。

February 12, 2004

14日目:海外のクリオネサイト

今朝は元気が無いようでした。いつもは朝冷蔵庫を覗くと元気に泳いでいるので、どうしたのかなーと思いましたが昼過ぎからまた元気に。

そもそも海の中にいれば昼と夜で明るさが違う。太陽の光と熱の影響があります。冷蔵庫の中にいるとずっと暗いので体内時計(があるとしたら)が狂ってしまうのかもしれません。

まあ元気なときもあれば、休んでいるときもある。というパターンです。

このサイトを立ち上げてから、いろいろなクリオネ関連のサイトをチェックしているのですが、海外のサイトでもクリオネの生態について詳しく載せているものもあります。

http://www.ac-creteil.fr/svt/Exo/ExoTS/clione/clione.htm
このサイトは図を見る限りでは非常に興味深い。と思ったのですがフランス語でした・・・さっぱりわかりません。フランス語翻訳サイトとかないのでしょうか。

http://www.seaslugforum.net/cliolima.htm
これもSEA SLUG FORUMというサイトで、どうやら「ウミウシ」専門サイトのようです。かなり専門的な、というか学術的な・・・これはいずれ訳してこちらに載せようと思います。

ちなみにこのサイトに日本にお住まいの「クマガイ」さんという方からの質問で「友人が北海道からクリオネを持ってきたんだけど、私は北海道から遠いところに住んでるのでshelled pteropods(恐らくミジンウキマイマイ)が手に入らないの。何か代わりになる?」という質問が。

Dr. Bill Rudmanという方のお答えは、肉食ウミウシ類(クリオネはそうなのか?私の訳に問題有りかもしれません)食べ物にうるさくて、替えの食べ物はなかなかないんだよ。Spiratellaしか食べないし、それを捕まえるのも難しいと思うよ。(かなりいいかげんな要約)とあります。

オーストラリアのサイトのようですね。もっと寒いところの方が本場のような気がします。探してみます。

http://jellieszone.com/clione.htm
これはちなみに「クラゲ」専門サイト。かなりマニアックです。・・・実は私はクラゲもウミウシも好きだったりします。クリオネ=クラゲ=ウミウシというカテゴリー分類的な類似性はあると思います。まあふわふわしていて不思議な生物と言う事で。

いろいろと専門用語が多いので無駄な英語のお勉強になりそうです・・・

近々英語版も作ってこのサイトが世界中のクリオネマニアを繋ぐサイトになったらとっても楽しいなあ・・・と実現しそうも無い夢をひそかに膨らませています。

 
今日のクリオネ君。どうもいつも「ばんざーい」してる写真ばかりに・・・

February 11, 2004

13日目:クリオネの行動パターン

今日も元気です。ところが、容器の排泄物をスポイトで取っているときに、うっかりクリオネ君を吸い込みそうに!

泳いでいたクリオネ君が、容器の底の排泄物を吸い取っているスポイトに近づいてきて危うくスポイトと接触するところでした。慌てた私が、クリオネ君を吸わないようにすぐにスポイトを押して水を吐き出した為、クリオネ君は水流に飛ばされてしまいました。「ショック死したらどうしよう!」と慌てふためきましたが、その後も元気に泳いでいたので大丈夫なようです。焦りました・・・

今日は今まで観察したクリオネの行動パターン。(といっても、あくまでもうちのクリオネ君の場合)

★とても元気な(と思われる)時
容器の下から水面まで、まさに1秒間に2回程度翼足を羽ばたかせ、ゆっくりと浮上していく。水面に触覚が当たると触覚を引っ込め、動きが一瞬止まり、翼足の動きを止めて頭から下に下降して行く。その後、底近くでまた翼足を羽ばたかせ同じ様に浮上していく。この繰り返し。

★やや元気な(と思われる)時
容器の底で頭を下にして、たまに翼足をぱたぱたして底をゆっくり動き回る。容器の下半分くらいまで浮上して、そこで止まったままぱたぱたゆっくりと泳ぎ、そこから上には行かない。また沈んで底で一休み。の繰り返し。

★お疲れ気味な(と思われる)時
容器の底で頭を下にして、たまに翼足をぱたぱたと動かし、もそもそと移動する。しばらくそれが続く。

★お休み中の(と思われる)時
容器の底で頭を下にして、翼足を、腕を組むように抱き込み、ぱたぱたもしない。たまにしっぽ(?)が上下左右に微かに動いたり、体全体が縮んで丸くなったり伸びたりしている。

★大丈夫???と心配になる時
頭を下にして、お休み中のポーズでほとんど動きが無く、長時間(丸一日とか)そのままの時。もしくはお疲れ気味、お休み中が長時間続く時。

★その他
慌てると翼足の動きが早くなるようです。海水を3分の1換えたとき、水流が出来てしまったのですが、その後暫く泳ぎ方が速かった様です。

排泄物を出すときは力んで居るように見えます。これは勘違いかもしれませんが、2回くらいそれらしき姿を目撃したような・・・

何故かわかりませんが、たまー泳いでいるときに頭が多少割れている事がある。ご存知のようにクリオネは捕食の際、頭がぱっくり開き、そこから6本の触手が伸びて捕食します。お腹が空いているのか、体調が悪いのか不明です。


上記はあくまでも、うちの飼育条件でのうちのクリオネ君の行動パターンです。他のクリオネってどうなのでしょう・・・

  
今日のクリオネ君

February 10, 2004

12日目:生物としてのクリオネ

今日も元気です。休んだり、泳いだりのくりかえし。クリオネ君の様子だけを書いているとこの日記は間が持たない・・・と思い始めました。これからは少しクリオネから気付いた他の事も書いていこうと思います。

このサイトは、あくまでも最初のINTRODUCTIONに書いたように、クリオネが好きな方、興味のある方へ向けたものです。「皆もクリオネを飼育しましょう」という目的では決してありません。私はたまたま幸運にもクリオネが手元に来ました。他にも運良く手元にクリオネが来た方に対して、クリオネにとって出来るだけ良い環境を整える為の情報提供が出来れば、という思いと、クリオネが好きな方にとって、クリオネの事を知るという「楽しみ」をお分けしたい、という思いで作ろうと思っています。好きなものは身近にあれば嬉しいし、もっと知りたいと思う、という単純な心理です。

何かに興味を持つ、もっと知りたいと思う「知的好奇心」は、対象が何であっても有意義な事だと思います。本人も充足感を得られますし、それを知る事によって他の何かへ広がる可能性もある。知識と思い入れがあるので外への影響力も出てくる。だから「マニア」は凄いと思うのです。

矛盾しているのが、対象が生物の場合、その生態を知れば知るほど手元においておくのが可愛そうになってしまう。本来であれば自然の環境が一番、と思ってしまう。犬や猫は愛玩動物用に改良されているので、人間の助けがないと生きられないと言う理由があります。でも他の生物にはなかなか当てはまらない。そこを自分の中でどうやって割り切るかが難しい問題だとも思います。

昨日NHKの「地球・不思議大自然」という番組で沖縄の「ウミショウブ」の特集を放映していました。陸にいた植物が、1億年かけて海で生存できるように進化したというもので、その繁殖の方法が、まさに「種の保存」を目的に合理的に進化したものだと、自然の生命力の凄さを感じました。

生物が存在する意味の一つ、目的は「種の保存」。そう思うとうちのクリオネ君も生まれてきた意味はそこにある。ならばいずれはもう一匹迎え入れて繁殖を・・・と思いますが、そう簡単に行くはずもない。素人ですし。

せめて、私がうちのクリオネ君を通して、他の方のお役にたてる事が出来れば、と思ってこのホームページを始めたのです。「自分のため」だけにならないように。これが私の「割り切り」なのですが・・・

これも人間の勝手な行動かもしれませんが。

そもそもクリオネ一匹でここまで深く考える必要も無いとも思いますけどね。

でも、寝る前に元気に優雅に泳ぐクリオネ君の姿を見るのも幸せなものです。しみじみ。


今日のクリオネ君

February 09, 2004

11日目:捕食見られず

今日も元気です。定期的に下のほうで寝ていますが、わりと元気に泳いでいるようです。

といってもずっと見ている訳ではありません。冷蔵庫の中だけに、私は朝一度様子を見て、寝る前にごみ取りをしながら写真を撮って眺める程度。昼間は1,2度母に冷蔵庫をのぞいてもらっています。

昨日はいくつかのサイトにもあり、実際に食べさせていた方がいると言うお話も聞いた「活イサザアミ」が届いたので、試しに容器に入れてみました。「まず食べないでしょう」という専門家の方のお話もあったのですが、試せるものは、クリオネのストレスにならない程度には試したい。

アミエビというものらしく、SSサイズを注文したのですが、どんなものか想像がつかず、「小さいえびがうじゃこらビニールに詰まってやってくるのでは」と内心どきどきしていました。見てみるとごく小さいメダカのようなものがビニールに入った海水の中を泳いでいるだけ。「これなら大丈夫!扱える!」と自信は持てました。

ところが一匹クリオネの容器に入れてみると、水温の差のせいか、アミエビは動かなくなってしまいました。クリオネの方も全く見向きもせず。知らん顔でぱたぱた優雅に泳いでいます。

という事で、2回目の餌付け失敗。

海水を使わせていただいているアクアリウムサービス・ニチアクのY氏曰く、「一番のネックは、小さな容器で飼育しているために、給餌の際、容器の出し入れや水温の変化等で、ストレスや警戒心が強まり、拒食が通常化してしまうことです。海の生き物は、全般的にデリケートですから、いかにストレスを与えずに飼育するかが、キーポイントになります。」とアドバイスを下さいました。

確かにうちに来てまだ11日目。それまでは大きな海で泳いでいたわけです。その後長時間の移動があり、やっとこの容器に落ち着いた。まだまだストレスがあるのだろうとは推測できます。

そう思うと可愛そうですが、出来るだけストレスを軽減して良い環境にしてあげたい、と思います。餌も焦る必要はないですね。それよりもストレスを与えないように気をつけたいと思います。

また、イサザアミを注文したお店の方も、メール注文の際に「クリオネが食べるかもしれないと聞いて」と書いたところ、「こんばんは。クリオネくんが食べてくれるか心配をしております。」とメールを頂きました。ちょっと可愛いです。やはりクリオネに興味のある方は優しい方ばかりです。と再確認しました。



今日のクリオネ君

February 08, 2004

10日目:また元気になりました

昨日一昨日元気の無かったクリオネ君は、今日はまた元気です。

初めての事なのでいちいち気になってしまいますが、10日たって大分私にも余裕が出てきました。とても元気に容器内を上から下まで泳いでいる日もあれば、少し下の方で休みがちな日もある。動物にも人間にもその日によって体調の良し悪しはありますから、クリオネも一緒かもしれません。

たまたまこのクリオネが最初に入っていたペットボトルには、4匹ほどの生物が一緒に入っていました。1ミリほどのプランクトン2,3匹と、3ミリほどのえびのようなもの1匹、長さ3センチ程の透明の糸のような
生き物。糸のようなものは3日くらいで死んでしまいましたが、それ以外は未だにクリオネと一緒に元気に泳いでいます。

世の中にはいろんな生命体がいるものです。

ちなみに、このサイトはこれから友人に頼んでトップページも作り、デザインも整え、内容も日記だけでは無く、もっと充実させたいと思っています。

世界のクリオネ好きに向けて、という事で英語バージョンも考えているのですが、そもそもクリオネって世界的にはどうなのでしょう。知られているのか居ないのか・・・


今日のクリオネ君

February 07, 2004

9日目:クリオネの飼育方法

クリオネがうちにやって来てから一週間がたちました。この一週間、私の生活はクリオネ一色でした・・・

少し落ち着いたので「クリオネの飼い方」について。クリオネ君は昨日から少し元気が無いようです。今までは容器の中を上から下まで泳いでいたのに、今は泳ぐのも下半分に留まり、頭を下にして休んでいる事が多いです。少し心配です。

クリオネの飼育方法についての詳細は、「オホーツク流氷科学研究所」に教えて頂きました。こちらは、クリオネ関連のサイト等を調べるとよく名称の出てくる、云わばクリオネ研究の権威のようです。そんな研究所の方にご享受頂けたのは有り難い事です。

容器:
1個体に対して約1リットルのガラスの広口容器が適当。(排泄物をスポイトで除去しやすい形)

海水:
どこの海水でも良い。通常は排泄物を取り除く際、その都度新しい海水を補充する。もしくは一週間から10日に一度、新しい海水に取り替えると長生きする。その際に予め冷蔵庫で同じ温度に冷やしておく事。温度は約4度以下。水温が10度以上にならないように注意する。(冷蔵庫内の温度が4度で、水温が約2~3度)

飼育方法:
上記の水温を保てる冷蔵庫内に入れておく。たまに出して5~10分程度観察するのは問題ない。
一日中明るくても特に問題は無いが、自然の海と同じ様に夜は暗くしたほうが良い。

餌を取らなくても毎日粘膜状の排泄物を出し、それが底に沈むので、こまめにスポイトで取り除く。(クリオネは体表面から水中の酸素を吸収するので、粘膜に絡まると酸素が吸収できず死んでしまう事がある)

数個体いる場合、出来るだけ飼育密度を低くする。飼育密度が高いとクリオネのストレスになる。1個体あたり1リットルの海水が目安。

止水状態で飼育するのが適している。クリオネは遊泳力の弱いプランクトンなので、強い水流はクリオネを弱らせる原因になる。

クリオネの動き:
クリオネは翼足を動かす事で浮遊するが、常に浮遊しているわけでは無い。翼足の動きを止め、頭から底に沈み、じっとして休んでいる事もある。たまに翼足を動かす程度。暫くすればまた泳ぎだす。

餌:
これについては、クリオネは「リマキナ」という同じ巻貝の一種しか食べません。一部の情報で「イサザアミ」等を食べるとありますが、私は冷凍のイサザアミをあげてみましたが食べませんでした。リマキナは販売しているところはなく、まず手に入りません。クリオネは餌を取らない「飢餓状態」でも半年から一年は生きるそうです。悲しい事に今現在はそういう飼い方しか無いそうです。

もし餌を与えた場合は海水が劣化する為、餌をあげないときよりも頻繁に綺麗な海水に変える事が必要になるそうです。


このように、飼育方法は非常にシンプル。あまり手がかかりません。ただ、一般での飼育例では長生きさせるのは難しいそうです。一年持てば長いほうだと。私が調べた限りでは、一般の方で半年以上長生きさせた例は今の所聞いていません。

オホーツク流氷科学研究所曰く、手をかけすぎるよりも放っておく位のほうが良いですよ。と。飢餓状態で半年も生きる事が出来るほど、生命力は強いそうです。

東京湾の海水でも問題ないとの事。私は既に伊豆の天然海水を注文していたので、それを使っています。私はさすがに過保護すぎるとは自覚していますが、なにしろクリオネを育てるのは初めてなので、少しでも状態が変わるとやはり心配です。長生きして欲しい・・・

 
今日のクリオネ君

February 06, 2004

8日目:元気が無い?

クリオネ君は、昨夜遅くからいまいち元気がありません・・・

今日も気になって会社から母にたびたび電話して様子を聞いていたのですが、元気には泳がず、下のほうに寝ていて、たまにぱたぱた翼足を動かしている感じ。それがずーっと続いています。

お昼頃から気になって、仕事が手に付かないまでは行きませんでしたが、早く家に帰りたかった。去年愛猫が病気になった時の気分です。

クリオネをくれたYちゃんにメールすると「全然大丈夫だと思うよー。うちの子も下半分でうろうろしてるし。今日はさすがに排泄物にからまってもがいてたのでストローで掃除したわ。」と。それを聞いて自分の心配しすぎに気付き、少し落ち着きました。が、やっぱりまだ心配・・・

放任主義が良いのはわかっていますが、性格的にそれもなかなか。

February 05, 2004

7日目:クリオネマニア

私はクリオネマニア?

今日のクリオネ君は特に変わりなく元気です。

昼間会社から母に「クリオネ君生きてる?」と聞いたところ、こんな返事。

「クリちゃん普通に泳いでいるよ。私は今からぷーるに行って、クリちゃんのまねをしてみます。」

わが母ながらちょっと可愛かったので載せてみました。ちなみに母は「なんだか餌をあげないなんて可愛そうよねえ。あなた、北海道まで餌捕まえに行ってらっしゃいよ。」と言っております。似たもの親子。実はそれもちょっと考えていたりします。行くなら流氷シーズンの今。

さて、ここ数日の私の「クリオネマニアっぷり」に「Kiyo、ちょっとやばいんじゃ・・・」と引いていらっしゃる周囲の方も多いのでは・・・と危惧しております。

私も寝る前にクリオネ君を冷蔵庫から出して真剣に観察したり、写真をとったりしている姿は、さすがにふと我に帰ると「あ。いかんいかん」と思います。昨日は姉にも複雑そうな顔で見られてしまいました。姉の心境は「この子ももう嫁に行けないか・・・」だと推測します。

でも好きだからいいの!とことん研究したいし、可愛がりたいんだもん!

と、「これってマニアの開き直り?」と思いました。

マニア万歳!マニアって楽しいです。ここまで夢中になれるものがあるって幸せだと思います。「ヘビマニア」とかだと多少引かれると思いますが、「クリオネマニア」だったらちょっと可愛げがあるのでは。(勘違い?)

世の中の「オタク」と言われる人々の中で、非難されがちなのは、きっと社会生活が出来ない人ですよね。社会生活がきちんと出来ていればマニアは素晴らしいと思います。

 
今日のクリオネ君

February 04, 2004

6日目:餌付け失敗?

冷凍イサザアミは食べませんでした・・・


「冷凍イサザアミ」が届いたのであげてみましたが、食べませんでした・・・
やっぱりミジンウキマイマイでないと駄目なのでしょうか。もしくは生きているイサザアミとか。まあゆっくり様子を見ようと思います。

今日も元気です。海水を3分の1ほど換えてみたらちょっといつもより動きが活発に。「もしかして苦しがってる?」といちいち心配になってしまいます。しかも、たまーに頭をややぱっくり開けて泳いでいるときがあるのですが、ちょっと怖いです。捕食シーンが思い出されて。水が合わないとかで苦しんで居そう・・・

 
今日のクリオネ君

February 03, 2004

5日目:クリオネの生態

★クリオネとは★

和名:ハダカカメガイ
学名:クリオネ・リマキナ(Clione Limacina)
発見は1774年くらい。英国の航海報告書の中に記載されている。

名前の意味:
「クリオネ」はギリシャ神話の海の妖精クレイオからとられたそうで、「リマキナ」がどうやら「ナメクジ」という様な意味で、「ナメクジの形をした海の妖精(女神)」という意味だそうです。

種類:
軟体動物・無殻類・翼足類・浮遊性腹足類(?この分類は良くわかりません)
巻貝の一種であり、外殻のない終生プランクトン(終生プランクトン:動物プランクトンの中で、一生を浮遊生活で送るものを言う)

生態:
北極圏や南極圏の寒い海に生息。流氷にくっついてオホーツク海沿岸まで移動してくる。その後、流氷が溶けだしたり流氷が北へ戻っていく段階で海の底へ落ち、動物プランクトンとして、魚たちに補食されてしまう。

成体の体長は1cm~3cm程度。寿命は2~3年と言われる。
翼足を大きく動かす事で移動し浮遊生活を送る。

捕食:
同じ種類の巻貝「ミジンウキマイマイ」(学名:リマキナ・ヘリシナ/Limacina Helicina)のみを捕食し、捕食した餌の栄養をほぼ100%の効率で同化する。半年から一年は飢餓状態で生命を維持できる。

繁殖:
クリオネは両性類なのでオスメスの区別が無い。2匹中どちらかがオスメス一方の役割を果たし、メスになった側の胎内に卵が出来る。約4時間で生殖孔から卵を海中に放出する。一度に産まれる卵は100個から2000個。3~4日で卵からふ化してから「ヴェリジャー期幼生」になりその2週間後に殻を捨て、「多輪型幼生」を経て約半年で「成体」になる。

体:
全体が半透明で、中央に見える紅い部分は内臓器官。頭に見える部分は「口」の役割を果たし、捕食の際にはこの部分が割れ、中から触手が伸び、獲物を押さえつけて食べてしまう。その捕食の際の獰猛さは、クリオネの天使のようなイメージと大きなギャップがある。

視覚は無く、頭(に見える部分)についている触角がセンサーになるらしい。捕食の際には視覚でなく嗅覚で獲物を感知するらしい。

羽に見える部分は「翼足」といい、一秒間に約2回前後する事で水中を浮遊する。翼足の動きを止めると頭から沈む。普段は浮遊しているが、たまに底に沈みじっとしている事もある。

鰓は無く、呼吸は体表面から水中の酸素を取り入れている。餌を食べなくても毎日粘着性の分泌物を排泄する。(私が観察した限りでは背中にある肛門から)。

参考URL
http://www.o-tower.co.jp/towerframe.html
http://www.ohotuku26.or.jp/organization/center/club/sousi.html

  
今日のクリオネ君

February 02, 2004

4日目:ウン○で力む?

クリオネ君はどうもウン○の時に力んでいるような・・・

今日もうちのクリオネ君は元気です。

実は今日は退社後に餌を探しに行こうと思っていたのですが、ちょっと仕事で色々とあってパワーが無く、更に問い合わせをしていた「オホーツク流氷科学研究所」からお返事を頂いて「クリオネをしっかり育てなければ!熱」に侵されていた私も安心する事が出来たので、餌探しはやめました。

「オホーツク流氷科学研究所」にはクリオネ飼育に関する質問事項をメールで伺っていたのですが、ご担当の方の返信の中に「あまり気張らずに、気軽に扱ってください。」と。きっと私のメールから「気迫」を感じ取られたのだろうと思います・・・飼育方法についてとても詳しく説明して下さって、しかも安心させて頂けるようなアドバイスもお電話で頂き、「クリオネ好きに悪人はいない!」と確信しました。

という事で、まずは排泄物を毎日捨てる事、可愛い姿を眺める事、に専念しても良さそうです。海水と代替エサが来たらちょっと試してみて。と。

でもやっぱりエサはあげたいです。いずれは・・・

そして昨日の発見、クリオネは一日一度排泄物を出すらしい。おしり(と思われる)部分から粘膜っぽいものを。その際に、容器の下に沈んで身体を丸めたり縮まったりしていました。「あ、クリオネ君ウン○で力んでる!」と、なんだか可愛く思えてしまいました。

  
今日のクリオネ君

February 01, 2004

3日目:温度が大事?

今朝は焦りました。クリオネ君が排泄物に絡まってもがいている!

クリオネ君は昨日の夜からどうもぐったりしているように見えました。クリオネは体から粘膜のような排泄物を出すのですが、たまにその排泄物が容器の底に溜まり、絡まると皮膚呼吸できずに死んでしまう事があるので、こまめに取り除かなければならないそうです。

昨夜おしりらしき部分から粘膜のようなものが出ていました。まだクリオネ君にくっついていたので「底に堕ちたら取り除こう」と思って今朝冷蔵庫を開けると、首の部分(に見えるところ)にその粘膜が絡まっているではありませんか!泳ぎにくそうに底のほうでぱたぱたともがいている(様に見えた)ので「どうしよう!」と焦りました。

割り箸でクリオネ君には触らない様に、粘膜だけに触れるように最新の注意を払いながら無事とる事が出来ました。粘膜が取れたクリオネ君は元気に泳ぎだし、その姿はまるで「ありがとう」と語りかけてくれているようでした。(注:私は結構大袈裟です。ちなみにB型です。)

温度計を購入し、冷蔵庫の温度を測ってみると丁度0度。もしかして少し低すぎる?と思って2度から4度に設定すると、クリオネ君は昨日までとは打って変わった様に、元気に泳ぎだしました。昨日までは冷蔵庫を覗くたびに底の方で静かにぱたぱたしていたのに、今日は冷蔵庫を覗くたびに元気に泳いでいる。

どうも温度差に敏感らしい、という事はわかりました。ネットで調べた水族館などの飼育記録でも「一定の温度を保つ事が難しく失敗」等という文章もありましたし。

ところが冷蔵庫の温度って必ずしも一定ではない。私が以前会社の寮で使っていた古い小型冷蔵庫(今は母がお味噌専用で使っているもの)をクリオネ専用冷蔵庫にしているのですが、部屋で暖房を付けた時とつけない時でも温度差が2度程度出てしまいます。一人暮らしなら昼は不在なので部屋の温度も問題ないと思いますが、うちは自宅なので暖房もつけたりつけなかったり。ちょっと調節が難しいなあ、と頭を悩ませています。

  


今日のクリオネ君